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さぶ たんたん くう という三匹の犬の子のお話とミニチュア製作日記。時々雑記。
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タンタン、きたる。
絵本①「タンタン、きたる」



アケリョ村のくるくる小路には、クウという犬の子がアキちゃんと住んでました。



クウはとっても恥ずかしがりやで、友達が一人もいませんでした。
心配したアキちゃんは、町の掲示板に広告をだしました。



「犬のあそびあいて、ぼしゅう!!待遇:三食ひるね付き」
町役場の前の広場の掲示板の一番目立つところに広告をはりました。

広告をだしてしばらくたった日の夜、くるくる小路の家のドアをたたく音がしました。



タン…タン…!



外にいたのは、真っ黒な犬の子でした。

「こうこくをみて ぼしゅう してきたの」



犬の子はタンタンといいました。
生まれてからずっとひとりぼっちでした。
ひとりでもなんとか生きてこれたのですけれど、広告の「三食ひるね付き」という文言にひかれて応募してきたのでした。
アキちゃんはタンタンのあっけらかんとした性格が気に入ったので、クウのお友達として採用することにしました。



タンタンが家に来てから、クウは何でもタンタンとはんぶんこになりました。
お部屋もおもちゃも、アキちゃんの愛情も、今まで独り占めしていたものは全部半分こです。
クウはまったく面白くありません。




ある日の夕方、クウとタンタンとアキちゃんはいつも通りお散歩に出かけました。
でもクウは、おやつにタンタンにケーキのイチゴを食べられたことを根に持ってましたし、タンタンをあまりしかってくれないアキちゃんにも腹を立ててました。
クウは、「ぼくはおこってるんだぞ!」ということをわからせるために、わざと二人から離れて歩きました。



途中、焼きとりの屋台を見つけたので、買うことにしました。
タンタンは、嬉しくてくるくる回っています。でもクウは相変わらずむぅっとしていました。
タンタンは、すなぎもを買ってもらいました。でもクウは、「何がいい?」ときかれてもだまったまんまです。クウは、怒っているのだから、ここでおれてはいけないとおもいました。
結局クウは焼きとりを買ってもらえまでした。

帰り道、自分の前を楽しそうにアキちゃんと焼き鳥を食べながらあるくタンタンをみながら、クウはだんだんかなしくなってきました。


そして大きな声で泣き出しました。


「泣いちゃだめだよ!!!」

突然タンタンがクウの目の前に走ってきました。

「あたいのすなぎも半分あげる!」

タンタンは、よだれでべとべとになったすなぎもをクウに押し付けました。


「クウの分も焼きとりたくさん買ったから、家に帰ったら食べようよ」
アキちゃんもクウのそばにやってきていいました。
クウはもう泣く理由もないのに、泣き止むこともできなくて、とにかく泣き続けました。


そのあと、クウはタンタンとアキちゃんと並んでお家に帰りました。
急に気持ちが軽くなったような、しあわせな気持ちで。


おしまい!

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ミニチュアつくりとイラストを描いています。
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